
「10年前の借金の請求書が突然届いた。今からでも返さなければならないの…?」

「消滅時効ってなに?何をどうすればいいの?」
お金を借りてから長年返済していない場合、消滅時効(民法166条)によって借金を返さなくてよくなる場合があります。
ただ、期間が過ぎれば自動的に借金が消えるわけではありません。「時効なので支払いません」という通知を債権者に送って(これを時効の援用といいます)、はじめて借金を返さなくてよくなります。
この記事では、その通知に使える時効援用通知書の書式(PDF・無料)と、書き方・送り方・注意点をご説明します。
結論|条件を満たせば、通知書一通で支払義務がなくなる可能性がある
① 5年以上払っていない借金は消える可能性がある
最後の返済(または借入れ)から5年以上経過していれば、消滅時効を主張できる場合があります。
② 「時効援用通知書」を債権者に送る
時効は自動では成立しません。下でダウンロードできる書式に記入して債権者に郵送すれば、多くの場合、それ以上の請求は止まり、そのまま解決に至ります。
③ 鉄則――1円も支払わない、一言も認めない
一部の返済や「払います」のひと言は、借金を認めたこと(債務の承認)になり、せっかく完成した時効が主張できなくなるおそれがあります。通知書を送り終えるまで、支払いも約束もしないでください。
時効が使える場面(まずここを確認)
基本的には、最後に借りてから、または最後に返済してから5年以上経っている場合に使えます。
例:2020年4月に消費者金融から100万円を借り、同年7月の返済を最後に一度も支払っていない場合、最後の返済から5年が経過した2025年8月以降は、時効の援用によって残りの借金を支払わずに済む可能性があります。
次のような場合は、期間が5年ではないことがあります。
- 信用金庫・個人からの借入れなど(2020年3月以前の契約)→ 10年の場合あり
- すでに判決や支払督促が確定している場合 → 確定からさらに10年
- 途中で一部を返済したり、支払いを約束したりしたことがある場合 → 期間がリセットされていることあり
書式のダウンロード
そのまま使える時効援用通知書の書式(PDF・A4一枚)をご用意しました。無料でご利用いただけます。※本書面の利用により何らかの損害が発生したとしても一切の責任を負いかねますのでご理解の上ご利用ください。
時効援用通知書(PDF)
書式をダウンロードする
この書式には、消滅時効を援用することに加えて、信用情報の事故情報(いわゆるブラックリスト)の抹消を求める一文も入っています。
書き方
- 債権者欄:請求書に記載されている会社の住所・会社名を書きます(代表取締役の氏名は、不明なら記載不要です)
- 通知者欄:ご自身の住所・氏名・生年月日を書き、押印します(認印で可)
- 契約番号・会員番号:請求書に記載があれば書きます。どの契約か特定しやすくなります(不明なら記載不要です)
- 日付:郵送する日を書きます
送り方
- 記入した通知書を、債権者(請求書の差出人)に郵送します。
- 送る前に必ずコピーを取って保管してください。
- 普通郵便で構いませんが、届いたかどうか心配な方は送った記録が残る特定記録郵便や内容証明郵便をご利用ください。
多くの場合、通知書の郵送後は請求が止まり、それ以上の対応は不要となります。もし債権者から反論があった場合は、無理にご自身で対応せず、弁護士にご相談ください。
やってはいけないこと(時効を自分で消してしまう行為)
通知書を送る前に次のことをしてしまうと、時効が使えなくなるおそれがあります。
- 少額でも「とりあえず」支払ってしまうこと(たとえ1円でも避けた方がよい)
- 電話で「来月から払います」など支払う約束をすること
- 送られてきた和解書・分割払いの書面にサインすること
特に、債権回収会社から「利息だけでもいいので」「ひとまず1万円だけでも」と少額の支払いを求められても、絶対に応じないでください。応じると「権利の承認」となり、時効期間がリセットされることがあります。
弁護士に相談したほうがよいケース
- 時効期間が経過しているか自信がない(途中で少し払った記憶がある、契約時期が古い・不明など)
- 過去に裁判を起こされた・判決を取られた可能性がある
- いま訴状や支払督促が届いている(対応に期限があります)
- 通知書を送ったが、債権者から反論・請求が続いている
- ご自身で送るのが不安、確実に処理したい
相談は無料です。弁護士に依頼いただいた場合は、債権の調査から、弁護士名での内容証明郵便による通知まで対応します(費用はご相談時にお見積もりをご提示します)。時効が成立していなかった場合も、任意整理などへの切り替えをご提案できます。
まとめ
- 5年以上払っていない借金は、時効の援用で消える可能性がある
- 書式に記入して債権者に郵送すれば、解決することが多い
- 送る前に支払う・認めるは厳禁。
- 迷ったら、支払う前・連絡する前に無料相談を。LINEからのご予約がスムーズです