林法律事務所
弁護士 高橋和久(所属:埼玉弁護士会)

借金が返せないときの対処法|返済が苦しいときに最初に読む記事

困った表情の女性

「毎月の返済で、給料がほとんど残らない」

困った表情の男性

「複数の会社から借りていて、どこに、いくら返しているのか分からない」

「借金が返せない。どうしたらいいのだろう」──返済が苦しくなったとき、多くの方が「もう少し頑張れば何とかなる」と、一人で抱え込んでしまいます。

しかし、一人で抱え込む必要はありません。借金が返せないと感じた時点では、複数の解決方法が残されています。すぐに自己破産をしなければならないわけではありません。一方で、延滞や裁判手続が進むと、選べる解決方法は少しずつ減っていき、給与や預貯金の差押えに至ることもあります。大切なのは、手遅れになる前に動き出すことです。

この記事では、借金が返せないときに最初にやること・やってはいけないこと・借金問題の解決方法を、当事務所が実際のご相談でお話ししている順番に沿ってご説明します。

結論|借金が返せないと感じても、解決方法は残されています

この記事の結論・3つのポイント
POINT01
督促と返済をいったん止める正式な手段があります

弁護士に依頼すると、各債権者に「受任通知」が送られ、原則として督促や取り立てが止まります。返済をいったんストップして、落ち着いて生活を立て直す時間を作れます。

POINT02
借金を減らす・なくす制度があります

任意整理・個人再生・自己破産という3つの手続きがあり、収入や財産の状況に応じて解決方法を選べます。

POINT03
早く動くほど、選べる方法が多く残ります

同じ借金額でも、滞納が浅いうちは任意整理で解決できることが多く、延滞が長引き遅延損害金が膨らむほど、個人再生や自己破産しか選べなくなっていきます。

借金が返せないときに最初にやること|現状を書き出して把握する

解決への第一歩は、現状を正確に知ることです。当事務所のご相談でも、最初にお聞きするのはこの内容です。次の3つを、メモ書きで構いませんので書き出してみてください。

  • 借入の一覧:どこから借りているか/おおよその残高/毎月の返済額
  • 毎月の収支:手取り収入と、家賃・食費・通信費などの支出
  • 届いている書類:督促状・請求書・裁判所からの書類(開封して、捨てずに保管してください)
借金が返せないとき、最初に確認する3つ。1 借入れの一覧(借入先・残高・毎月の返済額)、2 毎月の収支(手取り収入・生活費・返済に回せる金額)、3 届いている書類(督促状・請求書・裁判所の書類)。正確な金額が分からなくても、おおよそで構いません。
最初に確認する3つ(メモ書きで十分です)

金額は正確に分からなくても構いません。「たぶんこれくらい」でも十分です。弁護士に依頼した後であれば、各社から取引履歴を取り寄せたり、信用情報を確認したりして、正確な金額を調査できます。

書き出してみると、「利息ばかり払っていて元本がほとんど減っていない」「そもそも毎月の収支が赤字」といった、問題の正体が見えてきます。これが、この後の「やってはいけないこと」の回避と「解決方法の選び方」の判断材料になります。

返済が苦しいときにやってはいけないこと

返済に追われると、目の前の1回をしのぐための行動を取りがちです。しかし、次の行動は状況を悪化させます。

返済が苦しいときに、やってはいけない5つのこと。督促を無視して放置する、別の会社から借りて返す、クレジットカードを現金化する、SNSの個人間融資・ヤミ金を利用する、家族や友人の名義で借りる。目の前の返済をしのぐ行動が、借金をさらに増やすことがあります。
やってはいけない5つのこと

それぞれが危険な理由は、次のとおりです。

やりがちな行動なぜ危険か
督促を無視して放置する一括請求・裁判と進み、給与や預貯金の差押えに至ることがある
別の会社から借りて返す(自転車操業)借金の総額と利息が膨らみ、解決が遠のく
クレジットカードのショッピング枠を現金化するカード会社の規約違反。のちに自己破産を選ぶ場合に問題となるおそれがある
SNSの「個人間融資」やヤミ金から借りる違法な高金利と悪質な取立てで、生活そのものが壊される
家族や友人の名義で借りる問題を周囲に広げてしまう

※「おまとめローン」での一本化は、金利が下がっても借金の総額自体は減らないため、根本的な解決にならないことがあります。債務整理とどちらが合っているか迷うときはご相談ください。

借金問題を解決する方法|検討する順番

借金の問題は、債務整理だけで解決するものではありません。当事務所のご相談でも、債務整理に進む前提として、まず次の①②で解決できないかを確認します。

借金問題の対応方法、検討する順番。1 家計を見直す(収入を増やす・固定費を減らす)。見直しても毎月赤字なら、2 家族などの援助を検討(一括の立替えなど)。援助を受けても完済できないなら、3 債務整理を検討(任意整理・個人再生・自己破産)。消滅時効など、例外的な場合もあります。自己判断せずご相談ください。
検討する順番(家計の見直し→援助→債務整理)

① 家計管理で返済に回せるお金を作る

まず、家計管理で返済を続けられないかを考えます。先ほど書き出した毎月の収支が出発点です。あわせて次の内容も検討しましょう。

  • 収入を増やす:転職・副業・残業などで収入を増やすほか、受け取れるはずの手当・給付がないかどうかも確認してください。
  • 支出を減らす:効果が大きいのは固定費(住居費・通信費・保険・サブスク・車の維持費など)の見直しです。特に毎月高額な保険料を支払っている人は要注意です。

①だけでは解決が難しいサイン:利息の支払いで精一杯で元本がほとんど減っていない/返済のために新たな借入れをしている/固定費を見直しても毎月赤字──この場合は、②③に進むべき段階です。

② 家族などから援助を受ける

頼れるご家族がいる場合、一括で立て替えてもらうことも検討してください。そうすれば利息の増加が止まり、信用情報にも影響しません。あとはご家族との話合いで、無理のない返済計画を立ててください。

②が使えない場合:頼れる相手がいない、事情があって頼みたくない、援助を受けても完済の見通しが立たない──その場合は③に進みます。

③ 債務整理を利用する

①②で解決できないときは、債務整理をご検討ください。債務整理とは、法律等で認められた借金の解決方法で、任意整理・個人再生・自己破産の3つがあります。詳しくは、次の章でご説明します。

(例外)「何もしない」が選択肢になる場合

諸般の事情から債務整理ができない方や、消滅時効の利用を考えている方(詳しくは時効援用の記事をご覧ください)などは、例外的に「何もしない」ことが事実上の選択肢になる場合があります。ただし、基本的に借金の放置は一括請求・裁判・財産の差押えへと状況を悪化させますので、早めの対応をおすすめします。

3つの債務整理|違いと自分に合う方法の選び方

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3つがあります。ひとことで言うと、次のような方法です。

  • 任意整理:将来の利息をカットして、3〜5年の分割弁済にしてもらう方法
  • 個人再生:裁判所の手続きで借金を大幅に減額して、原則3年(最長5年)の分割弁済にしてもらう方法
  • 自己破産:裁判所の手続きで借金を免除(0円に)してもらう方法
3つの債務整理の違い。任意整理は、裁判所を使わない、将来利息のカットを交渉、原則3〜5年で返済、財産を残しやすい。個人再生は、裁判所を使う、借金を大幅に減額、原則3年で返済、自宅を残せる場合あり。自己破産は、裁判所を使う、免責が認められれば返済義務を免除、原則返済なし、一定の財産を処分。税金・養育費など一部の債務は、どの手続きでも減額・免除の対象になりません。
収入や財産の状況に応じて、3つの手続きから選べます

違いを表にまとめると、次のとおりです。

任意整理個人再生自己破産
手続き単純(裁判所を使わない)複雑(裁判所を使う)複雑(裁判所を使う)
費用安い高い高い
借金の減額元本は減らない(将来利息をカット)大幅に減額(最大で約9割減も)全部免除(0円に)
返済方法3〜5年の分割弁済原則3年(最長5年)の分割弁済返済なし
住宅残せる住宅ローン特則で残せる場合あり原則残せない
官報載らない載る載る
条件・制限少ない多い(安定収入が必要など)多い(一定の財産は処分、手続中は就けない職業もあるなど)
向いている人安定収入があり、利息カット+分割なら返せる人安定収入があり、減額されれば返せる人/家を残したい人返済の見込みが立たない人

どれが自分に合う?簡単な目安

  • 借金総額÷60を、毎月の生活費とは別に払えそう→ まず任意整理を検討
    :借金総額150万円なら、150万円÷60=月2万5000円。これを5年間払い続けられそうなら、任意整理で解決できる見込みがあります。利息がカットされるので、払った分だけ確実に元本が減っていきます。
  • 全額は難しいが、安定収入があり、減額されれば支払えそう。または自宅を残したい → 個人再生
    :借金総額600万円の場合、任意整理では月々約10万円の返済が必要で現実的ではありません。個人再生で120万円まで減額されれば、月々約3万3000円(3年払い)になり、返済の目途が立ちます。
  • 収入や財産から見て、返済の見込みが立たない → 自己破産
    :病気や失業で収入が大きく減り、生活費を除くと返済に回せるお金がほとんど残らない場合など。免責が認められれば、借金の返済義務そのものがなくなります(税金など、一部なくならないものもあります)。

※借金の総額、収入、滞納の状況などに応じて、取れる方法は変わってきます。ご自身で結論を出す必要はありません。ご相談で収入・家族構成・財産・借金の内訳を伺い、最適な方法を一緒に選びます

借金の督促を止めたいとき|弁護士の受任通知とは

弁護士に債務整理を依頼すると、各債権者へ受任通知を送付します。貸金業者は、受任通知を受け取った後、正当な理由なく本人へ直接取り立てることが法律で禁止されています(貸金業法21条1項9号)。そのため、受任通知が届いた時点で、督促の電話や郵便は原則として止まります

弁護士に依頼すると、督促はどうなる?弁護士に依頼、貸金業者等へ受任通知を送付、本人への督促・取り立てが原則ストップ、生活を立て直しながら手続きを準備、の流れ。銀行・信用金庫に借入れがある場合は、受任通知により口座が凍結され、預金と借金が相殺されることがあるため、給与振込口座の変更や預金の移動は受任通知を送る前に検討します。
受任通知が届くと、督促の電話・郵便は原則ストップします

返済もいったんストップします。その間に生活を立て直しながら、落ち着いて手続きの準備を進めることができます。

銀行・信用金庫などからの借入れがある場合の注意:その銀行等に預金口座を持っていると、受任通知が届いた時点で口座が凍結され、残高が返済に充てられる(相殺される)ことがあります。そのため、受任通知を送る前に残高を引き出し、給与の振込先を別の口座に変更するなどの対策が必要になります。

債務整理は家族に知られる?|内緒で進められるケース

ご家族が保証人になっていない限り、債務整理をしたことが家族に知られる可能性は高くありません。ただし、手続きによって事情が異なります。

  • 任意整理:裁判所を使わず、書類のやり取りも弁護士事務所との間だけなので、基本的に知られずに進められます
  • 個人再生・自己破産:裁判所に家計の状況を報告する書類が必要になるため、同居のご家族には協力をお願いした方がスムーズです。郵便物を弁護士事務所宛てに送ってもらうなど、知られにくくする配慮はできます
  • ご家族が保証人になっている借金:債務整理をするとその家族に請求が向かうため、知られずに進めることはできません(任意整理なら、その借金だけ対象から外す工夫ができる場合があります)

生活を立て直すためには、可能であればご家族に事情を話して協力してもらうことが望ましいですが、事情がある場合はご相談時にお申し出ください。進め方を一緒に考えます。

債務整理にかかる費用

当事務所の弁護士費用は、次のとおりです。

  • 任意整理:債権者1社あたり44,000円(税込)
  • 個人再生・自己破産440,000円〜(税込)(実費・裁判所への予納金等は別途)

※債権者の数や財産・事業の状況など、事案の内容により金額は異なります。

  • いずれも分割払いが可能です。
  • 費用も手続きにかかる時間も、おおむね「任意整理 < 個人再生・自己破産」の順に大きくなります。

※ご依頼前に総額の目安をお見積もりとしてご提示します。

  • ご相談は無料です。

弁護士に借金相談をする流れ

01

LINEまたは電話でご予約

「ホームページを見た。借金の相談をしたい」とお伝えください。ご予約の際には、借入先の数やおおよその合計額など、いくつか簡単な質問をさせていただきますが、正確に分からなくても構いません。

02

ご相談(状況を伺い、解決方針をご提案)

借入先・残高・収入の状況を伺い、複数の解決方法を比較しながら、最適な方針をご提案します。

03

ご依頼(受任通知で督促ストップ)

ご納得いただけたら受任し、受任通知の送付により督促は原則として止まります。

ご相談時にあると助かるもの(例)

  • 請求書・督促状など、借入先と金額が分かるもの
  • 裁判所からの書類(届いている場合)
  • クレジットカード・キャッシングカードなどのカード類
  • そのほか関係がありそうな書類一式

ご家族やご友人からの借入れも含めて、借入先に漏れがないことが大切です。もっとも、 「借入先が全部は分からない」「書類が手元にない」という方も大丈夫です。ご依頼後に、取引履歴の取り寄せや信用情報の確認などで整理できますので、その旨ご相談ください。

まとめ|借金が返せないときは早めに相談を

  • 借金が返せないと感じても、解決方法は残されています
  • まずは借入と収支の現状を書き出すことから。放置と自転車操業は状況を悪化させます
  • 家計改善・家族の援助で解決できないときは、任意整理・個人再生・自己破産の3つから、状況に合う方法を選べます
  • ご相談は無料です。費用は分割払いができます。まずはお気軽にご相談ください

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